歯周病は歯そのものの病気ではなく、歯を支えている周囲の組織の病気です。
歯を支えている歯周組織は歯肉、歯槽骨、歯根膜、セメント質からなり歯肉だけに炎症が起きている状態を歯肉炎、歯槽骨や歯根膜にまで病気が広がっているものを
歯周炎と言います。
以上の二つをまとめて歯周病(歯槽膿漏)と呼びます。
病気はまず歯肉から始まります。
歯肉が赤く腫れ軽い痛みがあり、歯磨きをすると出血する。
この炎症がさらに進行し歯周炎になると、歯と歯ぐきの間に歯周ポケットと呼ばれる
溝ができ、指で押すとポケットから膿や血が出る。
ポケットの中で繁殖した細菌は毒素を出し、歯の周囲の歯槽骨を溶かす。
重い歯周炎になると溶かされる骨の量が多くなるために歯がぐらぐらと動き始める。
ついには歯を支える骨がなくなり歯は抜け落ちる。
この歯周病はあまり痛みを感じないままに、ゆっくりと進行していくので気づくのが
遅れがちです。
歯がぐらつくのでおかしいと気づいたときには、歯を支えている歯槽骨の大半が失われいてすでに手遅れのことが多いです。
痛みがなく病気が進行し、気づいたときには手遅れというのはがんの場合と似ていて悪性ともいえるでしょう。
歯周病の原因は、プラ−クつまり歯垢や歯石です。
歯垢は歯の表面に膜のようにべっとりと付着し、
その75%が生きた細菌の集塊から出来ています。
単なる食べかすではないのです。
この細菌が出す毒素により、骨を壊す細胞が刺激され歯槽骨を溶かします。
また、長時間プラークがついたままになっているとその中の古くなった細菌の
菌体の中に唾液中のカルシウムやリンが沈着し石灰化し、歯石となります。
歯周病の治療とは、プラークや歯石を取り除き、歯の環境を整え、
再び歯周病にならないように予防することです。
プラークの除去の方法はブラッシングです。
自己流のブラッシングでは、プラークの完全な除去はまず出来ていません。
ブラッシングの詳しい説明を受け、プラークの完全除去の方法を獲得しましょう。
歯石は、ブラッシングでは取れません。
無理に取ろうとするとかえって歯周病の悪化を招くことがあります。
歯科医院で除去してもらいましょう。
歯周病の早期発見、早期治療のためにも半年から一年に一度は
検診を受けましょう。